2021年10月28日
【結netだよりVol.4】西諸地域の医療・介護事業所の紹介 ~池井病院訪問看護ステーションひとみ~
今回から西諸地域の医療・介護事業所の紹介を行います。
第1回目は小林市の池井病院訪問看護ステーションひとみを訪問し、管理者の馬越脇直子さんにお話しを伺いました。
■訪問看護ステーションひとみってどんなところですか?
当ステーションには看護師7名、作業療法士3名、介護福祉士1名が在籍しています。現在、遠くは鹿児島県内、宮崎市内など15の病院から利用者さんを受け入れており、その人の生活スタイルに合わせた看護や介護のサービスを行っています。病院で行ったリハビリを継続して在宅で実際にどうやっていくのか、廊下の歩き方、トイレの仕方などその方の生活で実践できるようにしています。利用者さんの訪問以外にもサービス担当者会議や主治医が治療方針を変更する際のカンファレンスへの参加などの業務もあります。
■県外の主治医との連携で苦労されたことはありますか?
県外の主治医の先生とはZOOM会議を行って情報交換しています。また、大学病院からの難病の事例では特殊なケアが多いので入院中、事前に病院スタッフに手技を伝授してもらっています。
■訪問看護の仕事で大事にされていることを教えて下さい。
利用者さんの自宅にお伺いし、その人の生活を乱さないという来客者の気持ちでマナーを大切にしています。特に第一印象を大切にしています。自分がされて嬉しい事を相手にも行うように心がけています。また、一人の方をずっと継続して看ていけるのは訪問看護の魅力ややりがいに繋がっています。私達、訪問看護スタッフと過ごした時間がその方の人生のエピソードの一部になればと思っています。
■MCS(メディカル・ケア・ステーション:多職種連携のためのコミュニケーションツール)を活用されていると聞きました。MCSについて教えて下さい。
利用者さんの情報を医療・介護のスタッフで共有してすぐに対応できます。主治医、家族、ケアマネ、薬剤師、栄養士など多職種が参加してラインと同じ感覚でやりとりしています。参加している人がすべての記事を共有できることがメリットです。例えば利用者さんの創部の状態を電話では説明しにくいのですが、MCSを使用したことで、写真を送ることが出来るので、すぐに医師の指示を受け、処置の統一が出来ました。MCSを活用する上で個人情報の取扱いに関しては配慮が必要です。
■コロナ禍で苦労されたことはありますか?
県外から帰省された家族には前もってPCRの検査をしていただいたり、帰省後に抗原検査を行ったりしています。本人、家族の中には事情があってワクチン接種されていない場合もありますのでマスク、フェイスシールド着用を基本のスタイルにして必要時にはエプロンをつけていただいています。
以前に比べてコロナ禍になってから病院での面会ができないので頑張って終末期の方を自宅で看取りたいという人が増えました。家族との最期の時間を大切にしていただけるので思い出作りに私達も参加できています。家族の愛情などが痛みの軽減につながっている場合もあります。
■今後の目標を聞かせて下さい。
地域包括ケアシステムが本格化していく中で、訪問看護は今後も重要とされています。利用者さんのニーズに合わせてサービスを提供できるように自己研鑽していきたいです。
《業務で多忙な中、インタビューに応じていただいてありがとうございました。本人、家族が安心して在宅療養を続けるために訪問看護ステーションの果たす役割は大きいと思います。また、様々な職種の方が利用者さんのために密に連携をとっているのを知る事が出来ました。今後も西諸地域の医療・介護の事業所を紹介していきたいと思います。希望される事業所を募集しています。(日髙:取材日 令和3年10月18日)》