2021年07月12日
【結netだよりVol.1】小林市における新型コロナウイルスワクチン接種の状況について
今回、「結netだより」第1弾として小林市新型コロナウイルスワクチン接種推進室長の松田和弘さんに「小林市における新型コロナウイルスワクチン接種の状況や課題等」について話を伺いました。
◆ワクチン接種の状況について
6月末の状況では、小林市の医療機関においては1週間で約3,000回接種できる体制になっています。県が実施した西諸地域の集団接種でも638人の市民が接種されましたので、住民全体の接種は10月末で完了するのではないかと見込んでいます。今後は基礎疾患のある方、高齢者施設等の職員、学校の先生や幼稚園・保育園等の先生方に接種券を発送する予定です。
◆ワクチン供給の状況について
ワクチンの供給状況が一番大きな問題で、供給量が減り、今まで計画していた接種回数を維持できなくなるのではないか心配です。人口の多い首都圏にワクチンの供給を集中させるとの話もありますが、そうなると地方への影響はかなり大きくなります。ワクチンの種類も3種類あり、今後どういった体制となっていくか注視しているところです。
◆他部門との連携について
コールセンターについては、開設当初からすると回線数も30回線に増やし、接種券の発送も段階的に配送するなどしているため、現在は大きな混乱はありません。接種医療機関には多大な協力をいただいておりますが、2回目のキャンセル対応が非常に難しくなっていると聞きます。ファイザー製のワクチンが冷蔵で1か月保存できるようになりましたが、希釈したら数時間しか持たないというのは変わりませんので、接種医療機関は取り扱いに大変苦慮していると思います。ワクチンの配送については委託業者に依頼し、接種医療機関へ曜日・時間を決めて配送しており、大きなトラブルはこれまでのところ出ていません。
◆その他の課題等について
現在、住民の方より64歳以下への接種券の発送についての問い合わせが多くなっています。今後、接種状況や医療機関の予約状況を見ながら、7月中旬以降、随時発送していく予定ですのでもうしばらくお待ちください。また、接種券の紛失の問い合わせも非常に多くなっています。2回目の接種時にも必要ですので、保管には十分注意してください。
高齢者施設などの入所者への接種についてはかかりつけ医での接種を実施されており、非常にありがたく感じております。今後は若い世代の接種になりますが、平日は仕事をされている方も多く、昼間の接種が難しい方も多いのではないでしょうか。今後はこうした働く方々への接種が課題の一つです。医師会の先生方からも意見を伺いながら、今後の接種体制を検討していく必要があります。
西諸地域では個別接種のみでワクチン接種を実施しておりますが、接種率が高くなっています。接種医療機関の皆様のご尽力に大変感謝しており、引き続きお力を貸していただきたいと考えております。医療機関では通常の診療を行いながら、ワクチン接種もしていただいており、将来的には、インフルエンザ予防接種のように通常のワクチン接種体制となるのが理想です。また、ファイザー製のコロナワクチンは-75度の特殊なディープフリーザーで管理しなければならず、特にこれから台風の季節を迎えますので停電などがおこらないか非常に心配しております。
《ワクチン接種業務で多忙な中、インタビューに応じていただいてありがとうございました。新型コロナウイルスワクチンは冷凍で保管し、各医療機関へ配送後は一旦溶解すると数時間しか使用できないという取扱いの難しさがあります。また、2回接種が原則で、2回目の接種が3週間後という期間の制限もあります。西諸地域でワクチン接種が順調に進み、住民が日常を取り戻せるように多職種が連携して取り組めれば良いと思います。(日髙:取材日令和3年7月1日)》
市町 | 小林市 | えびの市 | 高原町 |
接種対象者 | 36,254人 | 17,553人 | 8,476人 |
接種済回数1回目 | 13,643回(37.63%) | 5,422回(30.88%) | 2,312回
(1・2回目合計) |
接種済回数2回目 | 7,887回(21.75%) | 3,128回(17.82%) | |
接種医療機関 | 27件 | 14件 | 3件 |
《令和3年6月30日現在のデータになります。西諸での広域集団接種の1回目の人数も含まれています。西諸地域全体での接種医療機関は44件となります。》
ワクチンバイアルは小林市保健センターのディープフリーザーに冷凍保管されています。(温度計と停電時に備えたバッテリーも設置されています)
【ワクチン配送の流れ】
〈前日〉注射器や注射針など、各医療機関ごとに必要な本数を準備。
〈配送当日〉ディープフリーザーからワクチンバイアルを取り出し、各医療機関専用の容器へ。移動用の保冷バッグに保冷剤とバイアルの入った容器をセット。市の担当者と配送業者で不備がないか確認し、各医療機関へ向けて配送車が出発。
《前日から注射器や針などを医療機関毎に仕分けし、当日はワクチンバイアルを1本ずつディープフリーザーから医療機関毎の専用容器に慎重にセットされていました。大変気を使う作業です。市役所の担当者と配送業者でチェックを行い、医療機関ごとの保冷バッグを3台の配送車に丁寧に積載してそれぞれ目的地へ出発して行きました。私達が安心して接種できるのはこのような配送の仕組みがうまくできているからだと感じました。》
県内初となる複数自治体を対象とした新型コロナウイルスワクチンの広域集団接種が6月26日、27日に小林市民体育館で行われました。西諸地域の高齢者、64歳以下の基礎疾患のある人など1,476人が接種を行いました。7月17日、18日に2回目の接種が予定されています。