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2022年04月20日

🆕【結netだよりVol.8】宮崎県小林保健所長の紹介 ~工藤 静さん~

インタビュー記事(宮崎県小林保健所長 工藤 静さん)

 

コロナウイルス感染症第6波のまん延防止措置が解除となり、小林保健所正門前の桜が咲き始めた春らしい日に、宮崎県小林保健所長の工藤静さんにお話しを伺いました。

 

■小林保健所にはいつから勤務されていますか。

以前の職場は中央保健所で、昨年の4~7月まで国立保健医療科学院で保健所長になるための研修を受け、昨年10月11日に小林保健所に赴任いたしました。少しの間中央保健所との兼務でしたが、12月より専従となりました。

 

■医師をめざしたきっかけは何ですか?

両親が共働きだったので、祖母に育ててもらいました。その祖母が気づいたときには肝臓がんの末期で私が小学校1年生の時に亡くなりました。できるだけ早い段階で病気を見つけて、治療につなげられたらという思いがあり、それが医師になるきっかけだったかなと思います。しばらく医療機関で勤務していましたが、3人目の子供の出産を機にゆっくりと子育てをしたいと思ったことと、予防医学のほうにも興味があったので、行政医師(公衆衛生医師)になりました。今は新型コロナウイルス対応で休みを取ることも難しい状況ですが・・。

 

■保健所長の役割について教えて下さい。

公衆衛生医師としての業務に加え、保健所の組織マネジメント等の業務があります。保健所の統括だけでなく、職員間の連携や各課の連携、また、外部関係機関との調整も役割としてあります。

 

■保健所の役割について教えて下さい。

職員は全体で約25人。医師、獣医師、化学職、薬剤師、栄養士、保健師などの多職種が勤務しています。他に都城保健所との兼務職員もおります。総務企画課、健康づくり課(健康管理担当、疾病対策担当)、衛生環境課(衛生担当、環境対策担当)に分かれ、感染症、精神保健などの対応以外にも食中毒対応や産業廃棄物処理場の監視、動物対応など業務は多岐にわたっています。

 

■保健所のコロナ感染対応について教えて下さい。

まず、医療機関から陽性の連絡がありましたら、ご本人(保護者)に保健所よりお電話させていただきます(当日中に連絡しますが、件数が多いと連絡が遅くなる場合があります)。行動歴から濃厚接触者を特定し、PCR検査や行動制限自粛要請による感染拡大防止を行っています。なお、この保健所が行っている積極的疫学調査は、現在、多くの地域で感染者数が急増していることから、医療機関、高齢者施設、障害者施設等に重点化しております。

また、陽性者の方に対しては、現在の病状や基礎疾患等から重症化のリスクを判断し療養先を検討します。オミクロン株が主流になってからは以前より比較的軽症の方が多く、また、病床数もかなり限られていることもあり、多くの方については自宅療養をお願いしております。もちろん、高齢でリスクが高い方や全身状態が悪い方については医療機関への入院をお願いしています。基本的にはご自身(ご家族)で病院や療養施設へ移動していただきますが、移動手段がない場合には、保健所の職員が移送します。

自宅療養の方については保健所もしくは訪問看護ステーションが健康観察を実施しています。その中で医療機関受診や入院が必要な方については受診、入院調整を行っております。食料等の支援の希望があれば、大きな段ボールに日持ちする食料や消毒液などを2,3日中に届くように宮崎県の食料支援事業へ手配の連絡をしています。

 

■コロナ感染対応でのご苦労を聞かせて下さい。

第6波で一番感染者が多かった時期には小林保健所管内でも1日30名を超える感染者があり、その調査、検査、健康観察、療養先の検討など、限られた数の保健所職員で対応しないといけないので大変でした。職員は、平日は通常業務をしながら新型コロナの対応を夜遅くまでし、1月以降は毎週土日も出勤して新型コロナの対応にあたっており、なかなか休みが取りにくい状況にありました。

また、感染者数が増えてくると、管内の医療機関の病床数も限られているので、リスクがあるだけでは入院が難しい状況の時もありました。入院だけでなく外来でも対応していただき、医療機関の方々にもいろいろとご負担をおかけしたことと思います。ご協力に感謝を申し上げます。

 

■住民へ伝えたい事はありますか?

現在は陽性者と濃厚接触者(同居家族)、高齢者施設等の対応を重点的に行っておりますので、一般的な質問に関しては

「新型コロナウイルス感染症受診・相談センター」《0985-78-5670》の方へお問い合わせいただくようにお願いしています。

無料検査で陽性になった時や自分自身で市販の抗原検査キットで調べて陽性になった時には、まず、医療機関を受診して下さい。対応していない医療機関もありますので、まずはかかりつけ医が対応しているか尋ねていただき、対応していない時やかかりつけ医がない場合は「新型コロナウイルス感染症受診・相談センター」に電話相談していただくと、どの医療機関が対応しているか案内します。

抗原検査キットですが、医療用と研究用がありますが、医療用を使用するようにしてください。どの検査でもそうですが、完璧な検査はなく、偽陰性(感染しているが陽性にならない)、偽陽性(感染していないのに陽性になる)の場合があります。検査結果を過信せず、感染が疑われるような症状がある時には、出勤や通学を控え、医療機関を受診するようにしてください。

 

■医療機関や介護施設等にゾーニング等の指導や発生した場合の指導に行かれていますか?

第6波に入る前、管内の希望があった施設にはゾーニング等の指導に行かせていただきました。(現在は感染者が多数発生しているため、対応できておりません。)

施設職員や入所者から感染者が確認された施設には、検査の実施、健康観察の報告を指示させていただき、ゾーニングの指導も行っております。さらに、必要に応じて、ICN(感染管理認定看護師)にも指導していただいています。今後さらに感染者が多くなった際は難しいかもしれませんが、感染者が発生した施設にはできるだけ早く指導に行くようにしています。

 

■最後に医療機関・介護施設等のスタッフへのメッセージをお願いします

日頃から地域の医療・介護・福祉の向上と充実にご協力いただきありがとうございます。

今は誰がコロナに感染してもおかしくない状況になっています。持ち込んだ人を責めるのではなく、体調が悪い時にはすぐに休めるような職場環境作りを行っていただきたいと思います。

また、高齢者介護施設は感染症に対する抵抗力の弱い高齢者等が集団で生活する場であり、感染が広がりやすい状況にあります。感染自体を完全になくすことはできないものの、感染の被害を最小限にすることが求められます。今回の新型コロナウイルス対応で、医療機関や施設の感染症に対する体制が整備されたことと思います。新型コロナウイルス感染症が収束した後も、他の感染症発生時にも迅速に適切な対応ができるよう、平常時から感染対策を実施していただきますようお願いいたします。

 

《コロナ感染者対応等で忙しい業務の中、インタビューに応じていただいてありがとうございました。
保健所の役割りや、感染症に対する取り組み等の詳細な話を聴くことができました。(日髙:取材日 令和4年3月23日)》

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